総合型選抜(旧AO入試)による各大学の募集枠も広がってきました。また志願者も増えてきています。とはいっても始まって間もない採用方式ですから受験生にとっては戸惑いも少なくは無いようです。
総合型選抜では何が重視されるのか。どのような対策をしたら良いのか。その対策は本当に効果があるのか。いろいろな不安があることと思います。従来の入試とは全く異なる方式ですから、志望校選びの情報収集も必要でしょう。このような時に、総合型選抜で合格した先輩の体験に耳を傾けることは、受験対策に役立つヒントがきっとあるはずです
総合型選抜に合格して大学へ入学した先輩はどのように考え、いかなる準備をしたのか、その体験をお聞きしました。これから受験する方々へのアドバイスも伺いました。総合型選抜の受験計画に活用なさってください。
以下に4人の合格者の体験記をご紹介します。お答えいただいた皆さんへは同じ質問内容の記入式アンケートを送付してご回答を寄せていただきました。
合格した大学は、川崎医療福祉大学、大和大学、筑波大学、立命館大学で、合格後みなさん入学しています。4人のうち1人だけ他の大学と併願受験があり、3人は専願でした。
総合型選抜での受験を決めた時期は、高校三年生の春から夏ごろで、早い方で高校2年生の冬でした。
評定平均については、志望する大学により基準は異なりますが、その基準相応の評定があれば良しとして、むしろ志望理由書や活動実績、面接、小論文などの対策が要であるとの印象を回答からは受けました。
受験対策としては、面接の練習は家で、学校で、塾でとみなさんそれぞれの方法でやっています。また、小論文、プレゼンテーションなどの練習をし、添削を受けたり、志願理由書、自己推薦書の書き方なども力を入れています。塾の指導を利用した方もいらっしゃいます。
総合型選抜は受験する大学により採点、評価の内容が異なり、合格の基準を見出すことは困難なようにも思えます。しかしこのように合格者の体験を通して、そこに共通した大切なものが見えてまいります。ひとつはその大学へ入りたいという「志望理由」ですね。
回答の中には
「志望大学で学ぶしかない」という気持ちが面接官に伝われば、合格する可能性は充分にあると思います。
というアドバイスもありました。
合格体験記には総合型選抜 受験生のみなさんへの貴重な情報があるはずです。ご一読いただき受験対策にお役立てください。
回答年月日:2022年7月13日
高校2年生の冬
総合型選抜 の試験内容を教えてください。
基礎学力テスト(国・数・英の簡単なテスト)、
面接(面接官3:受験生3)
評定 :3.4
活動実績 :アンサンブルコンテスト 県大会金賞
ほどほどに勉強ができて、なにか精力的に取り組んだものがあることを証明できたのは良かったかなと思います。
学校の先生との面接練習。(週2回ほど)
家での面接練習。
基礎学力テスト(国語・数学・英語)の過去問がそれぞれホームページに掲載されていたので、それを解く練習。
英語の長文読解の練習と英単語の勉強も少ししました。
面接練習はそこまで大変じゃなかったのですが、英語の長文読解と英単語の勉強は大変でした。
また、通っていた高校がなるべく生徒を国公立に行かせたいと考えているような進学校だったので、選抜を受けることをなるべく周りに言ってはいけなかったことが大変でした。
正直、英語に関する勉強はしなくても良かったのかなと思います。
ある程度勉強できて、面接でテキパキ答えることができれば十分だと思います。
国公立の勉強を頑張っている友達がいる手前、大きい声では言えませんでしたが、確実に高校受験より楽だったので、おすすめします。
(勉強をかなりしないといけない大変な総合選抜型の学校もあるとは思いますが、)基本的には面接においての態度や受け答えのテキパキさ、内容などがしっかりしていれば大丈夫だと思います。
ただ、国公立の勉強を頑張ってる友達のことも考えて、受験後もそこまではっちゃけすぎないことをおすすめします。
回答年月日:2022年7月14日
高校三年生の春頃
総合型選抜 の試験内容を教えてください。
志望理由書、自己アピール文、小論文、面接、プレゼンテーション
評定:3.5 、 資格:英検3級、漢検3級
評定は一定数ないと受験資格が得られないので重要かと思いますが、そこまで高い必要は無いかなと感じました。
面接対策としては礼儀や所作の確認、敬語等を使った受け答えの練習を中心に行いました。
小論文対策は個人的に得意だったので特にこれといって対策はしていません。強いて言えば数をこなして添削ぐらい。
プレゼンテーションは資料作りより内容の練習を練りました。台本を見ずにすらすらと発表できるぐらいに。
どうしても落ちてしまった場合、周りと比べて勉強量に差ができてしまうため、総合型選抜の対策をしながらセンターや公募推薦の試験科目を並行して勉強しなければならないのが大変でした。
時間の使い方が難しくて苦労しました。
効果がありました。私は当時通っていた個別塾の先生方に小論文の添削や、プレゼンテーションを聞いてもらって質疑応答の練習をしました。不特定多数の意見が得られるので、たくさんの人に見てもらえてよかったと思います。
是非。いざ大学に受かってしまえば受験方法なんて関係ないですし、志望理由がしっかりしていて行きたい大学が定まっているなら、なるべく楽で早いルートを選ぶのもひとつの手だと思います。
総合型選抜なんて有り得ない、楽しやがって、等々嫌味を言われることもあるかと思います。ですが、入学してしまえばみんな一緒。私は他の人たちが勉強に費やした時間を総合型選抜の対策に費やしただけ。何も変なことはありません。
よく一芸入試といわれるだけあって、面接官は貴方の受け答えや人間性も見てくれています。堂々と、自分のやりたいことを、気持ちを素直に伝えれば必ず響きます。頑張ってください。
回答年月日:2022年7月14日
令和2年8月頃
総合型選抜 の試験内容を教えてください。
書類による一次試験と、面接による二次試験
評定:4.2
資格:漢検準2級
活動実績:人文系の研究活動(論文作成・ポスターセッションでの発表等)
評定と資格に関しては、特に影響はないように感じる。ただ、活動実績については大いに影響があるように感じる。
総合型選抜の専門塾には通わなかったが、高校の担任の先生や学習塾の先生(指導強教科は英語)と面接の練習を行った。
また、志願理由書・自己推薦書を他人に見せアドバイスをもらうことも対策として行った。
自らの志望理由書や自己推薦書の内容を他人に説明することは、面接の練習になるだけでなく、自らの考えを整理することにもつながったと思う。
共通テスト対策との両立には苦労した。周囲が一般入試の対策に専念しているなか、応募書類の作成等に多くの時間を費やすことに不安を感じた。
また、応募書類を期日までに間違いなく用意することも思いのほか大変だった。自己管理をしっかり行い、余裕をもって書類を完成させることは当たり前ではあるが、ぬかりなく行う必要がある。
面接の練習は効果があったように思う。
専門塾については利用していないので判断しかねるが、練習を繰り返して冷静に本番を迎えるための対策には効果があるように感じる。
研究活動を自主的に行っていた後輩には総合型選抜をすすめるが、そうでない場合には一般受験での合格を目指すことをおすすめする。
「自分が何をしてきたか」・「自分の足りない部分は何か」・「それを補うためには、この大学で学ばないといけない」という三点を意識することが大切かと思います。
もし実績に自信が無くても、自分の足りない部分を自覚しそれを補うためには「志望大学で学ぶしかない」という気持ちが面接官に伝われば、合格する可能性は充分にあると思います。
また、ある程度一般入試対策と並行して総合型選抜対策を行うと、多少気持ちが楽になるかもしれません。志望大学に合格できるチャンスが人より一回多い、というようなリラックスした気持ちで、落ち着いて本番に臨むと良いと思います。
回答年月日:2022年7月20日
令和3年7月
総合型選抜 の試験内容を教えてください。
志望理由書、面接、英検やトフルなどの英語検定試験の実績、高校での評定・内申書・活動実績/span>
出願資格として英検2級以上と記載されていたのですが、実際のところ2級での合格は厳しく、英検準1級が合格の決め手になったと思います。
英検準1級を取得するために高校1年生から勉強に取り組みました。
準1級取得後の高校3年の夏休みに総合型選抜の専門塾に行き、志望理由書の書き方や小論文対策、面接などの指導を受けました。
大学のオープンキャンパスに行き、大学や学部のことをよく理解することに努めました。
一次審査の志望理由書を書くのに苦労しました。自分が志望している大学の学部・学域への志望理由や思いが、大学が実践していることとマッチングしないといけないので、大学・学部・学域・教授のことをくまなく把握する作業が大変でした。
また、英検準1級合格までの勉強が大変でした。
専門塾の先生の指導により、受験する大学・学部を決めることができました。
また、受験までのモチベーションを高めることができた点においては効果がありました。
共通テストや一般入試までの期間が長いので、気分的な意味でも年内受験の総合型選抜受験をおすすめします。
総合型選抜受験に合格後、一般入試にチャレンジすることも可能です。
とにかく、英検準1級を合格しておくことが重要です。そのためには、中学生の時に2級に合格し、高校入学後は受験勉強はひとまず置いておき、英検準1級対策に取り組んで下さい。
英検準1級は必須です。また、学校の定期テストの点数を上げることを常に意識して、評定を上げることに努めて下さい。
留学は行った方が良いです。留学が無理なら夏休みを利用して英語で参加できる活動に取り組んで下さい。志望理由書に大きく関わってきます。
これらのアンケートはクラウドワークスを利用して行いました。アンケートの回答内容についてはお名前以外はできるだけそのまま掲載していますが、一部省略や改行などを行う場合もあります。太字、下線などの文字装飾は当ブログで付け加える場合があります。