ろうきん教育ローン 審査基準について 3つの基本【2023年】

ろうきん教育ローン 審査基準について 3つの基本【2023年】

ろうきん(労働金庫)の教育ローンは比較的に低金利であり関心を寄せている方が多くいらっしゃいます。一方では、ろうきんの教育ローンの審査は厳しいのではないかと危惧する方も少なくはありません。そのような疑問を解決すべくろうきんの教育ローンの審査や審査基準について、特に3つ基本的事項を中心にお話しをすすめてまいります【2023年版】
 

ろうきんは非営利組織(協同組織)の金融機関という事もあり、一般の金融機関より教育ローンの審査は厳しいのではないかと危惧なさる方がいらっしゃいます。

 

このページでは『中央ろうきん』の教育ローンを例にとりご説明してまいります。中央ろうきんの営業地域は山梨を含む関東圏です。(茨城・栃木・群馬・埼玉・千葉・東京・神奈川・山梨の1都7県)

そのほかの地域のろうきん教育ローンにつきましては、このページ下部の「全国のろうきん教育ローンと対象地域」にそれぞれのURLを載せてありますので、ご確認くださいますようお願いいたします。

ろうきんの教育ローンに限らずほとんどの教育ローンがその審査基準を細やかに開陳してはいません。とは申しましても教育ローンの審査に関する事項はどの金融機関でも基本的には共通しています。ただし借り手の収入に限っては公的機関の国の教育ローンと民間の教育ローンとではその基準はまったく逆ということになります。

 

 

国の教育ローンは世帯年収の上限が決められています。一定以上の収入のある世帯は国の教育ローンを利用することはできません。(教育ローンの審査と年収)民間金融機関の教育ローンでは、借り手の収入は多い方が借りやすいわけです。年収の下限として一定の金額を定めているところと、金額の定めは公開せずに『安定継続した収入のある方』などとしている教育ローンもあります。

 

ろうきんの教育ローンでは「安定継続した前年税込年収が 150 万円以上ある方となっています。(←例:「中央ろうきん教育ローン」の場合 )国の教育ローンでは子ども1人の場合で世帯年収の上限は年収790万円(所得600万円)と定められており、これを超える年収(所得)のある世帯は基本的に対象外となり借入できません。このように公的な教育ローンと民間金融機関の教育ローンでは申込者の収入に関する審査基準は全く異なります。それ以外の審査基準には重なる事項がたくさんあります。

教育ローンの審査基準の基本的3項目とろうきん教育ローンの特徴

教育ローンの審査において、共通した審査基準があると申しました。その審査基準の中でも特に重要でかつ大きなポイントとして次の3項目があります。

 

@安定収入、A借入残高と借入件数、B信用情報 

 

この3つの審査基準のポイントに焦点をあて、さらに「ろうきんの教育ローン」において関連する事項を確認してまいりましょう。

 

@ろうきん教育ローン 安定収入の審査基準

 

どのようなローンであっても返済能力としての「安定した収入」は審査基準の基本中の基本です。前述しましたように国の教育ローンは世帯年収の上限がありますが、民間の教育ローンにおいては安定した収入が多いほど返済納能力は高いと通常は判断されます。

 

雇用形態はパートやアルバイトであっても継続的に安定収入があれば良いと言う教育ローンもあります。一般的には最も有利であるのは、『雇用形態は正社員、勤続年数は長く、年収が高い』ということになります。?理想を言えばこのようなことになりますが、これに近い方が審査にはより有利である事は否めません。

 

ろうきんの教育ローンの場合は給与所得者は同一勤務先に3年以上勤務で、前年度年収は150万円以上と具体的な数値が決められています。(←中央ろうきんの例)

 

また、ろうきんのローンは申し込みできる方のエリアが限定されているのが大きな特徴です。ご自身のエリアのろうきんへ申し込む必要があります。

 

中央ろうきんを例に具体的に見てまいりましょう。中央ろうきんの事業エリアは茨城県・栃木県・群馬県・埼玉県・千葉県・東京都・神奈川県・山梨県です。このエリア内に自宅か勤め先がある給与所得者、または中央労働金庫に出資がある団体会員の構成員が中央ろうきんの教育ローンに申し込みができます。

 

さらにエリア内の給与所得者は下の条件全てに該当する必要があります。

・申し込み時の年齢が満18歳以上で、最終返済時が満76歳未満(カード型はが申し込み時の年齢が満20歳以上かつ契約時の年齢が満65歳未満)
同一勤務先に1年以上勤務している(自営業者等の給与所得以外の方は原則として3年以上)
年収(前年税込み年収)が150万円以上
ろうきん所定の保証協会の保証を受けられる人

出典:中央ろうきんwebサイトより抜粋


https://chuo.rokin.com/banking/loan/pdf/kyoik_loan_card.pdf

ろうきんの教育ローンは契約社員やパート社員あるいは自営業者であっても、上に掲げた条件など一定の要件を満たしていれば安定収入としての基準には適っているということになります。

 

 

A他社借入残高と借入件数、

教育ローンの申込者の前年度収入や世帯収入などの基準を満たしていても、返済能力が低いとみなされることがあります。それは、他の金融機関での借入金額や借入件数が多い場合です。年収に対して借入金返済額が多すぎるような事になれば返済が滞るおそれがあると判断されて審査に通らない事もあり得ます。

 

他社での借入は、その総額と件数ををきちんと把握しておくことは必須事項です。また、できる限り借入残高を減らしておくことも必要な方策となるでしょう。

 

住宅ローン以外の借入件数はゼロに近いほど理想的であり、審査には有利となるでしょう。教育ローンの申し込みの際に他社借入を隠して、あるいは減らしてなどの虚偽の申告は絶対にしてはなりません。虚偽申告はわざわざ自ら信用力を落とすことになります。

 

銀行などの金融機関は貸金業者ではありませんから、教育ローンは総量規制(年収の1/3を超える融資は不可)の対象にはなりませんが、収入と返済のバランスを考慮して借入申し込み金額を決定することが大事です.。借りられる金額と返せる金額は違います。たとえ審査に通ったとしても後々返済に苦慮することの無いよう熟慮して教育ローン申込金額を決めることが必要です。ろうきんのサイトには返済シミュレーションやオンライン相談などもできますので活用しましょう。

例:中央ろうきんローンシミュレーションhttps://chuo.rokin.com/banking/loan/simulation/loan_unsecured/
  中央ろうきんオンライン相談https://chuo.rokin.com/online/

 

 

ろうきん教育ローン (証書貸付型) の融資可能金額は1 万円以上 2,000 万円以内で返済期間は最長15年です。5年以内の元金据置期間を設定することができます。

 

証書貸付型の他にろうきん教育ローンには(カード型)があり、こちらは限度額は1,000 万円以内で融資機関はカードの利用期間と元金利返済期間を合わせて20年以内となっています。

 

※申込者の雇用形態や審査の内容によっては、融資の限度額が異なる場合あります。

 

 

年収に占める年間返済額の割合を「返済負担率」といいます。年収額にもよりますが、一般に返済負担率の上限は25〜30%程度で設定すべきだといわれています。手取り年収ではなく額面年収で計算するのなら20%程度以内の返済負担率に抑えたいところです。(返済負担率=年間返済額÷額面年収)

 

すでに住宅ローンを利用している方は、相当な返済負担率で設定されていることが多いかと思われます。これに教育ローンが加わるとなると、かなりの負担が上乗せされることになります。教育ローンの申込金額は他のローンと合算して考慮すべきです。

 

あまりに高い返済負担率になるような金額は審査に通らないか、融資申込額より減額で決定という事もありうることです。

 

B信用情報

 

ローン申込に際して、金融機関はその顧客の信用情報を信用情報機関に照会し確認します。信用情報には、個人を特定する住所・氏名・勤務先・運転免許証等々とともに、支払い能力に関する情報があります。例えばクレジットやローンの契約内容、金融事故情報(長期延滞,債務整理,代弁返済,強制解約など)の記録が記載されています。

 

これらの信用情報は国の指定機関である「信用情報機関」によって収集・提供されています。現在3つの信用情報機関があり、各金融機関はそのうちの一つあるいは複数に加盟しています。

 

信用情報機関 名 と加盟しいている主な金融機関
・潟Vー・アイ・シー(CIC)  
加盟会員は主にクレジットカード会社、信販会社、ローン・リース会社、移動体通信事業者など。ソニー銀行・イオン銀行なども。
・鞄本信用情報機構(JICC)
加盟会員は主に信販会社系、消費者金融系、商工ローン会社系、保証会社、リース会社など。オリエントコーポレーション、クレディセゾン、三菱UFJニコス、イオンクレジットサービスなど
・全国銀行個人信用情報センター(KSC)  
加盟会員は主として銀行系などの金融機関とその関係会社

 

3つの信用情報機関は情報内容の一部あるいは全部を情報交流システム(「FINE」「CRIN」)を通じて共有しています。

 

 

ろうきん(労働金庫)は上記3つの個人信用情報機関全てに加盟しています。これらの個人信用情報機関とその加盟会員から個人信用情報の提供を受け利用しています。利用の際には申込書・契約書等によって顧客から同意を得ることになっています。(個人情報保護法第23条第1項)

 

また(教育ローンなどの)借入金の返済能力に関する顧客の個人情報が、返済能力の調査以外の目的のために利用される事はありません。ろうきんが個人情報を取り扱う際の細則などは各ろうきんのホームページなどに載っていますので、一度確認してみてください。(例:中央労働金庫「個人情報のお取扱について」https://chuo.rokin.com/aboutus/safetrade/privacy/#a01_1)

 

 

個人信用情報のここに注意

延滞、遅延、借り過ぎなどは、教育ローンの審査においても他のローンの審査同様に不利な信用情報となります。例えば下のような信用情報がある場合は審査において極めて不利です。

自己破産や長期延滞などの事故情報(いわゆる「ブラックリスト」入り)

債務が3つ以上ある(できれば住宅ローン以外の債務はない方が望ましい)
借入金返済やクレジットカードの支払いに年に2回以上の遅れがある(奨学金返済の滞納なども同意書に基づき延滞情報が個人情報に登録されている場合がある)

 

※上記は教育ローン審査において極めて不利な要件を掲げてありますが、これらをクリアできても審査を通過する要件が整っているわけではありません。

 

滞納や延滞、債務整理、自己破産などの事故情報は個人信用情報機関に一定期間記録されています。記録が抹消されるまでには事故事由の内容や機関により異なりますがおおよそ5年から10年かかります。

 

ご自身の信用情報がどのようになっているかを調べることはできます、3つの信用情報機関とも「本人開示制度」があり、窓口または郵送で申し込むことができます。パソコンやスマートフォンでインターネットによる開示請求もできます。ただし、全国銀行個人信用情報センターは窓口、インターネットともに受付を行っていません。郵送のみとなっています。

 

本人開示の手数料は窓口申請で500円、郵送やネットでは概ね1,000円程度かかります。

本人開示の請求をした結果、登録情報がなかった場合でも手数料の変換はされません。(新型コロナウイルス感染拡大防止に伴い窓口受付は休止している場合がありますので、各機関のHPなどで確認してください)

全国13のろうきんの「教育ローン

ろうきん(労働金庫)は全国で13の地域にあります。利用対象はそれらの地域に所在、居住、在勤している人たちです。

 

13のろうきんのそれぞれの対象地域は北海道、新潟、長野、静岡、沖縄ろうきんのように1県(道)だけのところと、例えば近畿ろうきん(滋賀県・奈良県・京都府・大阪府・和歌山県・兵庫県)のように複数の府県のろうきんが合併し広域に渡って統合されて稼働しているところもあります。

 

かつては8つの地域に統合する動きなどもああったようですが、現在は13のろうきんで留まっています。オンラインシステムなどは全国のろうきんの共同システムが確立されて運用されているそうです。13のろうきんが合併して全国統一するのには労働金庫法の改正なども必要となって、まだまだ時間がかかりそうですね。

 

さて、全国13のろうきんの教育ローンのページ(URL)を下に掲げます。各ろうきんによっては違う部分もありますのでご自身の対象地域のろうきん教育ローンを確認してみてください。

 

ろうきん教育ローンの保証料と保証機関

 

各ろうきん教育ローンの概要書を見ますと、ろうきん教育ローンは保証料込みの金利を掲げています。

 

教育ローンなどの資金を借りるときに借りる側が連帯保証人を設定しなくても、保証機関が保証人に代わってその役割をおこないます。その費用が保証料です。ろうきん教育ローンはその費用(保証料)が金利に含まれているという事です。(あるいは「保証料はろうきんが負担」という表現もあります)

 

 

保証機関は借り手の返済が滞った場合の返済を借り手に代わってろうきんへ弁済*します。ろうきんの保証機関は、「一般社団法人 日本労働者信用基金協会」(略称:日本労信協)という名称です。(*借り手の支払い義務は免責されません。保証期間への債務となります。}

 

保証機関の日本労信協はろうきんの教育ローンの借り手に対して、保証の対象となりうるかを一定の審査基準のもとに審査**します。この審査基準に満たない場合は保証されないという事になります。(**借り手の返済能力などや信用度を審査することで一般に「与信審査」と呼ばれています。)

 

ろうきん教育ローンの2段階の審査制度

 

保証機関の審査に満たなかった場合に、第2保証機関をを設けて再審査をする制度を採用しているろうきんの教育ローンもあります。

 

 

たとえば静岡ろうきんは「段階審査制度」という制度名で行っています。この制度は、第1保証機関(日本労働者信用基金協会もしくは静岡県勤労者信用基金協会)の審査に通らなかった場合には、第2保証機(SMBCファイナンスサービス(株))にて再審査が受けられるというものです。再審査でだめなら教育ローンの融資を受けることはかなり難しくなりそうですね。

 

静岡ろうきん教育ローンの保証料は次のようになっています。
日本労働者信用基金協会:〈ろうきん〉が負担
静岡県勤労者信用基金協会:年1.0%(後受方式)の保証料
SMBCファイナンスサービス:表示の金利に年1.9%の金利を上乗せ

 

*静岡ろうきん教育ローン"カード型"には「段階審査制度」は無いようです。

 

保証委託リトライ制度 

 

東北ろうきんには「保証委託リトライ制度」という名称で同様の制度があり、教育ローンも対象となっています。(教育ローンカード型は対象外)

 

一般社団法人日本労働者信用基金協会での保証基準等に照らし合わせた審査が行われます。しかしながらその審査の基準等を満たすことができなかった場合の措置として再審査があります。再審査はMBCファイナンスサービス(株)の保証基準において行なわれます。SMBCファイナンスサービス(株)の保証を受ける場合は借入利率がその保証料率差の分だけ高くなります。

 

 

 

例として静岡ろうきんと東北ろうきんの2段階の審査制度を掲げました。その他の地域については各ろーきん教育ローンのホームページや概要書などで確認してみましょう。

全国のろうきん教育ローンと対象地域

全国13のろうきん教育ローンのURLと対象地域を掲げます。記載の内容や利率などは当ページ記事の執筆時のものです。ご利用にあたっては各ろうきん 教育ローンのサイトなどでご確認してください。

 

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URL https://www.rokin-hokkaido.or.jp/borrow/kyoiku.php
対象地域:北海道


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URL https://www.chugoku.rokin.or.jp/kyouiku.php
対象地域:鳥取県・島根県・岡山県・広島県・山口県

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四国ろうきん 教育ローン

URL https://www.shikoku-rokin.or.jp/kariru/education/

対象地域:徳島県・香川県・愛媛県・高知県

 

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固定金利 15年超20年以内のご返済 年2.4%〜年3.3%

 

九州ろうきん 教育ローン

URL https://kyusyu-rokin.com/loan/education/

福岡県・佐賀県・長崎県・熊本県・大分県・宮崎県・鹿児島県

 

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※沖縄本島および沖縄本島と陸路で行き来できる島にお住いの方につきましては、本引き下げの対象外とさせていただきます。